餞別ののし袋は、袋選び→水引→表書き→名前→金額→お札の順にととのえます。退職・転勤・異動・引越しは紅白の蝶結び。表書きは「御餞別」または「おはなむけ」で、目上の人へ個人で贈るときは「おはなむけ」が無難です。下段には氏名か姓、職場でまとめるなら部署名を書きます。お札は新札を用意するのが丁寧です。この4ステップを押さえれば、渡す直前に慌てずに済みます。
餞別ののし袋は、退職・転勤・引越しなら紅白の蝶結びを選び、表書きは「御餞別」または「おはなむけ」(目上へ個人で贈るなら「おはなむけ」が無難)。下段に氏名・姓、職場一同なら部署名を書きます。お札は新札を、肖像を表・上にして入れるのが一般的なならわしです。
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封筒・のし袋の選び方——ポチ袋や白封筒は使える?
書き方の前に、まず入れ物です。文具店やコンビニの棚にはいくつも種類が並んでいて、ここで手が止まります。選び方の軸は一つ。包む額と、袋の格を合わせることです。
| 袋の種類 | 見た目の特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 略式ののし袋 | 水引と熨斗が印刷されている | 数千円までの餞別。個人から同僚へ |
| のし袋(水引つき) | 紅白の水引が実際に結んである | 1万円を超える餞別。部署一同・目上の人へ |
| 多当折り・中袋つき | 厚手の和紙、中袋が別に入る | 定年退職など、額も気持ちも大きい場面 |
| ポチ袋 | 手のひらサイズ | 数百円〜数千円の心付け。餞別の表書きには小さい |
| 白無地の封筒 | 郵便番号枠のない無地 | 急場の代用。表書きと氏名を自分で書けば失礼にならない |
ポチ袋は、餞別には少し軽く見えます。名前と表書きを書くスペースが足りず、お札を三つ折りにする必要も出てくるためです。旅先で使ってねという小さな心付けならポチ袋、送別の餞別としてまとまった額を包むならのし袋——と分けて考えてください。
白封筒は、のし袋が用意できないときの代用として使えます。ただし郵便番号の枠が印刷されたものは避けます。無地の白封筒に「御餞別」「おはなむけ」と表書きを入れ、下段に氏名を書けば、形として成立します。急に見送ることになった、出張先で渡す——そういう場面のための逃げ道として覚えておくと安心です。
袋にお金をかける必要はありません。100円ショップや文具店の水引印刷タイプでも、表書きと名前がきちんと書かれていれば失礼にはあたりません。
水引の選び方(蝶結びか結び切りか)
最初に決めるのが水引です。ここを間違えると、意味が正反対になってしまいます。
退職・転勤・異動・引越しなど、ふつうの餞別には、紅白の蝶結びの水引がついたのし袋を使います。蝶結びは何度でも結び直せることから、「何度あってもうれしいこと」に使う結び方。転勤や栄転を重ねてほしい、という気持ちに合います。
例外は、寿退社で結婚祝いを兼ねる場合。このときは、一度きりを願う紅白の結び切りを選びます。結婚は繰り返さないほうがよいお祝いなので、ほどけない結び切りを使うわけです。
「送り出す相手が、これから結婚するのかどうか」——ここだけ確認すれば、水引で迷うことはありません。
表書きの書き方(御餞別・おはなむけ)
水引の上、のし袋の上段に書くのが表書きです。餞別では「御餞別」「おはなむけ」「御礼」などが使われます。
基本は「御餞別」で問題ありません。ただし、贈る相手が目上の場合は少し注意が必要です。目上の人へ「御餞別」と書いて個人で贈るのは失礼にあたるとされ、この場合は「おはなむけ」という表書きにするのが無難とされています(ベストマナー)。
「おはなむけ」は、旅立つ人への純粋な餞(はなむけ)の気持ちを表す言葉。上下関係の含みが薄いので、目上の相手にも角が立ちません。迷ったら「おはなむけ」を選んでおけば、大きく外しません。
お世話になったお礼の意味を前に出したいときは「御礼」も使えます。相手との関係でしっくりくる言葉を選んでください。
場面別の表書き早見表
同じ「見送る」でも、相手が向かう先で言葉が変わります。旅行の見送りに「御退職御祝」と書いてしまう事故は、この表で防げます。
| 場面 | 表書きの選択肢 | 水引 |
|---|---|---|
| 同僚・部下の転勤/異動 | 御餞別・餞別・御転勤御祝 | 紅白の蝶結び |
| 目上の人(上司・恩師) | おはなむけ・御礼・御贐 | 紅白の蝶結び |
| 栄転・昇進を伴う異動 | 御栄転御祝・御昇進御祝 | 紅白の蝶結び |
| 退職・定年退職 | 御餞別・御礼・御退職御祝・御定年御祝 | 紅白の蝶結び |
| 引越し・新居へ | 御餞別・御引越御祝・御新居御祝 | 紅白の蝶結び |
| 留学・海外赴任 | 御餞別・おはなむけ・御贐 | 紅白の蝶結び |
| 旅行の見送り | 御餞別・おはなむけ | 紅白の蝶結び |
| 寿退社(結婚祝いを兼ねる) | 御結婚御祝・寿 | 紅白の結び切り |
旅行の餞別は、いちばん気楽に書ける場面です。表書きは「御餞別」か「おはなむけ」。修学旅行や部活の遠征で家族から渡すなら、ひらがなの「おはなむけ」が柔らかく収まります。相手が旅立ちを楽しみにしている場面なので、堅い言葉より読みやすさを優先してください。
御贐は「おんはなむけ」と読みます。格式のある表書きですが、読める人が限られます。渡す相手が年配で、かしこまった場面ならこれ。それ以外は「おはなむけ」とひらがなで書くほうが、気持ちがまっすぐ届きます。
名前の書き方(個人・連名・部署一同)
下段には、贈り主の名前を書きます。渡し方によって書き方が変わります。
個人で贈る場合は、下段に自分の氏名、または姓だけを書きます。表書きより少し小さめの字にすると、全体のバランスが整います。
職場でまとめて贈る場合は、下段に部署名を書きます(ベストマナー)。「◯◯部一同」のようにまとめると、集団からの餞別だと一目で伝わります。
連名で名前を並べる場合は、目上の人を右から順に書いていきます。人数が多くて書ききれないときは、代表者名+「他一同」とし、全員の名前は別紙に書いて中袋に添えます。受け取った相手が「誰から」を後で確認できるようにするための心配りです。
書き方の見本——上段・下段・裏面はどこに何を書く
どこに何を書くかを、一枚の表にまとめました。手元にのし袋を置いて、上から順に埋めてください。
| 場所 | 書くもの | 書き方の目安 |
|---|---|---|
| 表・上段(水引の上) | 表書き(御餞別/おはなむけ など) | 中央に、下段より大きめの字で |
| 表・下段(水引の下) | 贈り主の氏名・姓・「◯◯部一同」 | 中央に、表書きより少し小さく |
| 中袋の表 | 包んだ金額 | 中央に縦書き。旧字体を使う |
| 中袋の裏(左下) | 郵便番号・住所・氏名 | 小さめの字で縦書き |
| 中袋がない袋の裏(左下) | 金額・住所・氏名 | 金額を上、住所氏名をその左に |
連名の並べ方も、見本にしておきます。三人までなら中央から左へ、目上の人が右。四人以上になったら、代表者の氏名を中央に書き、その左に少し小さく「外一同」と添えます。全員の氏名は別紙に、右から順に書いて中袋へ。
夫婦で贈るときは、中央に夫の氏名を書き、その左に妻の名前だけを並べます。姓を二度書かないのが、見た目の収まる書き方です。
金額の書き方——旧字体(大字)の一覧
中袋に金額を書くとき、漢数字の旧字体(大字)を使います。「一」に一画足せば「二」になってしまうように、あとから書き足せる字を避けるための昔からの工夫です。
| 金額 | 旧字体での書き方 |
|---|---|
| 3,000円 | 金参仟円(金参阡圓) |
| 5,000円 | 金伍仟円(金伍阡圓) |
| 10,000円 | 金壱萬円(金壱萬圓) |
| 20,000円 | 金弐萬円 |
| 30,000円 | 金参萬円 |
| 50,000円 | 金伍萬円 |
| 100,000円 | 金拾萬円 |
頭に「金」を付け、末尾は「円」でも「圓」でも構いません。「也」を付けるかどうかも自由です。最近は「金一万円」のように読みやすさを優先する書き方も広く使われていて、旧字体でなければ失礼、ということはありません。迷ったら旧字体、急いでいるなら普通の漢数字。どちらでも受け取る側は困りません。
中袋がない封筒は、裏の左下に書く
略式ののし袋や白封筒には、中袋が付いていないことがあります。この場合は袋の裏の左下に、金額と住所・氏名をまとめて書きます。金額を上に、その左へ郵便番号・住所・氏名を小さめの字で。表に書いた氏名と重複しても構いません。
裏を白紙のまま渡すと、受け取った側は「誰からいくら」を後で整理できません。職場で何人分もの餞別を一度に受け取る場面では、この一手間が相手をいちばん助けます。
お札の入れ方
のし袋がととのったら、最後にお札を入れます。
お祝いごとの慣習として、餞別には新札を用意するのが丁寧とされています。旅立ちを祝う気持ちを、折り目のないきれいなお札で表す——という考え方です。銀行の窓口やATMで新札に替えておくと安心です。
入れる向きは、肖像画のある面を封筒の表側に、肖像が上にくるようにそろえるのが一般的なならわし。中袋がある場合は、中袋の表側に金額、裏側に住所と氏名を書いておくと、受け取った側が整理しやすくなります。
複数枚を入れるときは、向きをそろえます。肖像の面と上下を全部同じにして重ねる。受け取った人が数えるとき、裏返しの一枚が混じっていると手が止まります。数えやすさは、そのまま気配りになります。
お札は折らずに入れるのが基本。のし袋の中袋なら、そのまま入る大きさに作られています。ポチ袋のように小さい袋で三つ折りにするなら、開いたときに肖像が最初に見えるよう、左から右の順に折ります。
新札が用意できないときは
辞令が急に出た、渡すのが明日の朝——そういう場面では、銀行の窓口が閉まっていることもあります。新札にこだわって渡しそびれるくらいなら、手元のお札で構いません。
やることは二つ。財布の中からいちばん折り目の少ない一枚を選び、アイロンを低温にして当て布ごしに折り目を伸ばす。それだけで見た目はかなり戻ります。銀行のATMは、時間帯によっては新札に近いきれいなお札が出てくることもあるので、試す価値はあります。
結婚祝いと違い、餞別で新札が必須とされる場面はほとんどありません。間に合わないなら、きれいなお札で。渡すタイミングを逃さないほうが、相手にとっては何倍もうれしいはずです。
金額をいくらにするかは、相手との関係と場面で変わります。相場は出典つきで別ページにまとめました。
きれいに書くコツ——筆ペン・墨の濃さ・書き損じ
字に自信がない、という声はとても多いです。でも、のし袋の印象を決めるのは字のうまさではありません。道具と配置で、見え方はほとんど決まります。
筆ペンか毛筆を使います。ボールペンや万年筆で書いたのし袋は、線が細くて頼りなく見えます。筆ペンは、穂先が柔らかい「軟筆」より、硬めの「硬筆・中字」タイプのほうが素人の手でも線が安定します。文具店で試し書きができるなら、縦線を一本引いてみてください。
墨は濃いものを。薄墨は弔事のしるしです。「涙で墨が薄まった」という意味を持つため、お祝いや送別の場面で使うと、まったく違う気持ちを伝えてしまいます。筆ペンを買うときは、パッケージの「濃墨」表示を確認してください。
下段は上段より小さく。表書きと氏名を同じ大きさで書くと、間延びして見えます。氏名を一回り小さく書くだけで、全体が締まります。字のうまさより、この大小のバランスのほうが目に残ります。
書き損じたら、袋ごと替える。修正液で直したのし袋を渡すと、そこだけ目に入ります。予備をもう一枚買っておく——これがいちばん確実な対策です。鉛筆で薄く下書きしてから筆ペンでなぞり、乾いてから消しゴムをかける方法もあります。
目上の人へ贈るときの注意
上司や年長者へ餞別を贈るときは、のし袋のマナー以前に、もう一段の配慮が必要です。
まず、目上の人へ個人的に現金を贈るのはマナー違反とされています。上司へ個人で贈るなら、品物や商品券を選ぶのが無難です。どうしても金銭で贈りたいときは、部署やチームの連名にすると角が立ちません。
のし袋を使う場合も、表書きは前述のとおり「おはなむけ」に。名前は部署名でまとめる。この二つを押さえておけば、目上の相手にも失礼になりません。
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退職・送別のお祝いレストランを見るよくある質問
Q. 餞別の表書きは何と書けばよいですか?
「御餞別」「おはなむけ」「御礼」などが使われます。目上の人へ個人で贈るときは、「御餞別」ではなく「おはなむけ」とするのが無難とされています(ベストマナー)。寿退社で結婚祝いを兼ねる場合は「御結婚御祝」などを用います。
Q. 餞別の水引はどれを選べばよいですか?
退職・転勤・異動・引越しなどでは、紅白の蝶結びの水引がついたのし袋を使います。何度あってもよいお祝いに使う結び方です。ただし寿退社で結婚祝いを兼ねる場合は、一度きりを願う紅白の結び切りを選びます。
Q. のし袋の名前はどこに書きますか?
下段に贈り主の氏名または姓を書きます。職場でまとめて贈る場合は、下段に部署名を書きます(ベストマナー)。連名は目上の人を右から順に書き、人数が多いときは「◯◯一同」とまとめて別紙に全員の名前を添えます。
Q. 餞別のお札は新札を用意すべきですか?
お祝いごとの慣習として、餞別には新札(未使用のきれいなお札)を用意するのが丁寧とされています。肖像のある表を封筒の表側に、肖像が上にくるように入れるのが一般的なならわしです。
Q. 目上の上司に現金の餞別はダメですか?
目上の人へ個人的に現金を贈るのはマナー違反とされています。上司へ個人で贈るなら品物や商品券が無難です。部署やチームの連名であれば、現金でも失礼になりにくいとされています。
Q. 餞別はどんな封筒に入れればよいですか?
包む額と袋の格を合わせます。数千円までなら水引が印刷された略式ののし袋、1万円を超えるなら水引が実際に結んであるのし袋が目安です。のし袋が用意できないときは、郵便番号の枠がない白無地の封筒に「御餞別」と表書きし、下段に氏名を書けば形として成立します。
Q. ポチ袋で餞別を渡してもよいですか?
数百円〜数千円の心付けならポチ袋でも構いませんが、送別の餞別としてまとまった額を包むには小さすぎます。表書きと氏名を書くスペースが足りず、お札も折る必要が出るためです。旅先で使ってねという小さな心付けはポチ袋、送別の餞別はのし袋、と分けて考えてください。
Q. 中袋がない封筒は、裏に何を書きますか?
袋の裏の左下に、金額と郵便番号・住所・氏名を書きます。金額を上に、その左へ住所と氏名を小さめの字で。表に書いた氏名と重複しても構いません。裏を白紙にすると、受け取った側が「誰からいくら」を整理できなくなります。
Q. 中袋の金額は旧字体で書くべきですか?
1万円なら「金壱萬円」のように旧字体(大字)で書くのが伝統的な作法です。あとから書き足せる字を避けるための工夫でした。ただし「金一万円」のような書き方も広く使われていて、旧字体でなければ失礼ということはありません。
Q. 新札が用意できないときはどうしますか?
手元でいちばん折り目の少ないお札を選び、低温のアイロンを当て布ごしにかけて折り目を伸ばせば、見た目はかなり戻ります。餞別で新札が必須とされる場面はほとんどありません。渡すタイミングを逃すほうが惜しいので、きれいなお札で進めてください。
Q. のし袋はボールペンで書いてもよいですか?
筆ペンか毛筆を使うのが基本です。ボールペンは線が細く頼りなく見えます。筆ペンを選ぶときは、薄墨ではなく濃墨のものを。薄墨は弔事のしるしなので、送別の場面では使いません。
形式は、気持ちを届ける器
のし袋のマナーは、細かく見えて、実はどれも「相手に失礼のないように」という一点に向かっています。水引と表書きと名前、この三つを押さえれば、あとは中身の気持ち次第です。
迷ったら、水引は蝶結び、表書きはおはなむけ。この組み合わせなら、たいていの餞別で通用します。
この記事は、Annyのお祝い専門コンシェルジュがまとめています。表書き・水引・名前の書き方はマナー解説を出典としています。
出典
- ベストマナー「お餞別・金額相場|退職 餞別・定年退職・会社上司・転勤異動・取引先・友人」(best-manner.com)
