七五三は、子どもの成長を祝う日本の伝統行事です。3歳・5歳・7歳で神社に参拝し、家族や親戚と食事会をします。11月15日が一般的ですが、数え年か満年齢かで時期が変わります。
七五三とは、江戸時代から続く子どもの通過儀礼。3歳の「髪置きの儀」、5歳の「袴着の儀」、7歳の「帯解きの儀」が統合されたもので、11月15日を中心に神社参拝と食事会で子どもの成長を祝います。現代では宗教行事から「人生の通過儀礼」へと意味が変わり、完璧な儀式より家族の気持ちが大切にされています。
七五三の準備で「何から始めればいい?」
初めての七五三を控えたとき、多くの親が同じ困惑に陥ります。
「7月に入ったらスタジオ予約の話をママ友から聞いた。えっ、もう?」「衣装はレンタル?購入?髪のセット代っていくら?」「神社に電話するのは誰がするの?初穂料って何?」「写真だけで良い?やっぱり参拝もしなきゃダメ?」「食事会はするべき?レストランと自宅、どっちがいい?」
準備期間が思ったより短く、決めることが多く、分からないことばかり。そのうち「みんなどうしてるの」という不安だけが膨らんでいく。そんな状態ですね。
でも大丈夫です。七五三は日本の親が何千年と繰り返してきた行事です。困惑も失敗も、みんな同じことで迷っています。ここから準備の流れと、知っておくべきマナーを説明します。
七五三の由来:いつから?なぜ11月15日?
七五三を理解するには、その成り立ちを知ることが大事です。
江戸時代から続く儀礼
七五三は江戸時代に上流階級の間で行われていた通過儀礼が起源です。当時、乳幼児の死亡率は今よりはるかに高く、7才まで無事に育つことすら珍しかった。子どもが無事に成長した節目を、家族と地域全体で祝う習慣が生まれたのです。
その儀礼が3つあります。
3歳「髪置きの儀(かみおきのぎ)」では、かつて3歳までの子どもは頭をつるつるに剃っていました。3歳で初めて髪を伸ばし始める儀式が「髪置き」です。女の子中心の通過儀礼でしたが、今は男の子も参加することが多くなっています。
5歳「袴着の儀(はかまぎのぎ)」では、男の子が初めて袴をはく儀式です。幼児用の着物から子ども用の正装への転換を祝います。江戸時代は男の子のみでしたが、今は女の子も5歳で参加する家庭が増えています。
7歳「帯解きの儀(おびときのぎ)」では、女の子が初めて帯をしめる儀式です。子ども用の着物から大人用に近い帯をした着物への衣替えを祝うものです。
これら3つの儀式が、いつしか「七五三」として統合され、今の形になりました。
なぜ11月15日?
11月15日が選ばれた理由には、いくつかの説があります。
一番有力なのは、旧暦の11月は田の実りが終わる季節で、氏神様に感謝を捧げる時期だったという説です。当時は新暦がなく、11月の満月(旧暦11月15日)が一つの区切りになっていました。子どもの成長を神社で祝うなら、自然と神様へ感謝を捧げるこの時期が選ばれたのです。
もう一つの説は、江戸時代の徳川家の行事日程が関係しているというもの。将軍の子どもの七五三が11月15日に行われたことで、それが上流階級の標準となり、やがて全国に広がったとも言われています。
いずれにしても、11月15日という日付には、自然のリズムと家族の感謝の気持ちが重なったという意味があるのです。
現代における七五三:信仰から「人生の通過儀礼」へ
江戸時代の七五三は、純粋に子どもの生存を祝う宗教的な儀式でした。乳幼児の死亡率が高かった時代には、3歳まで生きることが本当に大事だったのです。
今、子どもが3歳まで育つことはあたり前です。でも七五三が廃れないのは、「宗教行事」から「人生の通過儀礼」へ意味が変わったからです。
現代の親にとって七五三は「子どもの成長を見つめ直し、家族で祝う日」になっています。神社参拝も、写真撮影も、食事会も、すべてが「この子がここまで育った」という親の感動を形にする儀式なのです。
だから、完璧にやることよりも、家族が心を込めて子どもの成長を祝う気持ちが一番大事です。
七五三はいつやる?数え年 vs 満年齢
ここまで「3歳・5歳・7歳」と言ってきましたが、実はこの年齢には2つの数え方があります。多くの親がここで迷います。
数え年 vs 満年齢の違い
数え年とは、生まれた年を1歳と数える日本古来の年齢の数え方です。お正月を迎えるたびに、みんなで一つ年を重ねます。
満年齢とは、生まれてから経過した年数を数える現代の数え方です。誕生日に一つ年を重ねます。
例えば、2024年3月15日生まれの子どもの場合。2024年は数え年で1歳(満年齢0歳)。2025年は数え年で2歳(満年齢は3月15日の誕生日で1歳)。2026年は数え年で3歳(満年齢2歳)。つまり、2026年の七五三シーズンに数え年で3歳を迎えるのは2024年生まれ、満年齢で3歳を迎えるのは2023年生まれの子どもです。数え年で3歳になるのは、満年齢で2歳の時なのです。
地域による違い
関西(京都・大阪・兵庫など)では、江戸時代からの伝統を守り、数え年で七五三を祝う家庭が多いです。数え年の3歳(満年齢2歳)、5歳(満年齢4歳)、7歳(満年齢6歳)の時期に参拝します。
関東(東京・神奈川・千葉など)では、戦後に満年齢の文化が普及し、満年齢で七五三を祝う家庭が一般的です。満年齢の3歳、5歳、7歳の時期に参拝します。
その他の地域は、神社や家庭の伝統によってまちまちです。実家がどちらの文化圏にあるか、また今住んでいる地域の慣例によって決める家庭が多いです。
どっちを選ぶ?判断のポイント
正直に言えば、どちらを選んでもマナー違反ではありません。大事なのは「子どもの成長を祝う気持ち」です。ただし、判断の参考になるポイントがいくつかあります。
数え年を選ぶメリットは、江戸時代からの伝統を守れること、関西圏の実家に合わせやすいこと、子どもが若いうちに3歳の儀式を迎えられること。デメリットは、満年齢に慣れた現代人にとって計算が複雑なこと、関東など満年齢が主流の地域では周りとずれることがあること、衣装のサイズが小さい時期になる場合があることです。
満年齢を選ぶメリットは、計算が簡単なこと、関東など多くの地域で一般的なこと、子どもが大きく育った時期なので着物姿が映えること。デメリットは、数え年の伝統とは異なること、関西圏の実家がある場合は説明が必要かもしれないことです。
迷ったら、実家の慣例か、現在住んでいる地域の標準に合わせるのが一番シンプルです。ただし、祖父母の気持ちを考えると「うちの代はこうやってきた」という期待があるかもしれません。両親と祖父母に「どちらでお祝いしたい?」と先に相談しておくと、後でのトラブルが少なくなります。
早撮り・後撮りという選択肢
近年、衣装撮影だけを別日にやる「早撮り・後撮り」が一般的になっています。
早撮りは11月より前の時期に、スタジオで衣装を着て写真を撮ります。9月や10月に撮影することが多いです。後撮りは11月を過ぎてから撮影する選択肢です。
なぜこんなことをするのか。理由は3つです。スタジオの混雑を避けるため(11月は七五三シーズンのピークで激混み)。衣装が美しく撮れるため(9月や10月の天気が良い日なら自然光での撮影が映える)。家族の都合に合わせるため(兄姉の学校行事や親の仕事など)。
デジタル時代だからこそ、「写真は別日に、参拝は11月15日前後で」という柔軟な選択肢が増えました。
七五三の時期:11月は必須?それとも柔軟でいい?
「七五三は11月15日」と聞いているから、その日に参拝しなきゃダメと思っていませんか? 実は、かなり柔軟です。
11月15日は「目安」に過ぎない
確かに11月15日は伝統的な日付です。でも実際には、11月中であればどの日に参拝してもマナー違反ではありません。むしろ11月15日当日は参拝客が集中しすぎて、家族でゆっくり参拝できないこともあります。
最近は、11月の中で家族の都合が良い日を選ぶという親が増えています。11月の第2日曜日に参拝する家庭、11月中の平日を選んで神社が空いている日にする家庭、11月初旬に参拝する家庭など、さまざまです。
11月以外はダメ?
正直に言えば、11月以外でも問題ありません。ただし、一般的ではないので、若干の説明が必要になることはあります。
9月・10月の早撮りの場合は「衣装撮影だけ」と考え、神社参拝は11月に別日で、というパターンが多いです。12月以降の後撮りは、人気スタジオが11月に満杯だった場合や家族の都合で11月に参拝できなかったケースです。来年に延期して、1月から4月に七五三の衣装で参拝する家庭もあります。
つまり、七五三は「11月15日」という歴史的な日付よりも、「家族が子どもの成長を祝う気持ち」が優先されるのが現代の七五三なのです。
七五三の準備チェックリスト:いつまでに何をやるか
「いつから準備すればいい?」という質問をよく聞きます。逆算してみましょう。
6ヶ月前(5月から6月):衣装選びと記念写真の予約
スタジオの予約が第一優先です。人気スタジオは8月頃に満杯になります。スタジオに電話または予約サイトで問い合わせ、衣装の見本を見て子どもが気に入ったものを選び、撮影日時を決めます(9月中旬から10月下旬がベスト)。衣装の身幅・丈をスタジオスタッフに相談しておくと、後日の着付けで重要になります。
衣装のレンタル vs 購入も、この段階で考えます。レンタルなら月単位で借りる期間を決めます。購入するなら、既製品かオーダーメイドか決めます。
3ヶ月前(8月から9月):神社参拝と食事会の準備
神社への確認電話をします。参拝したい神社の住所・電話番号を調べ、七五三の時期に対応しているか、初穂料がいくらか、事前予約が必要か、参拝後に写真撮影はできるかを確認します。
食事会の予約も始めます。11月中の空きがある日を何日か候補に出し、人数を確定し、子どもが食べられる食事内容か事前相談できるか確認します。この段階で「食事会はやる」と決めたなら、早めに予約することをおすすめします。11月は七五三・結婚式・忘年会で、レストランが埋まりやすいです。
1ヶ月前(10月):細かい準備と当日確認
衣装の最終チェックとして、レンタルなら受け取り日を確認し、帯・髪飾り・足袋・草履などの小物が揃っているか、サイズが子どもに合っているか試着して確認します。
ヘアメイクと着付けの手配も必要です。スタジオで撮影時のヘアメイクはセット済みか、神社参拝当日の着付けはスタジオか自宅で美容師を呼ぶか自分でやるか決め、着付けを依頼するなら予約を入れます。
当日のスケジュール確認として、神社の参拝予約時間、着付けに必要な時間(通常30分から1時間)、神社までの移動時間、食事会の開始時間を整理します。天気対策として、11月の天気予報をチェックし、雨の日でも参拝できる上着や草履を用意しておきます。
1週間前:最後の準備と心の準備
衣装と小物の最終確認として、すべて揃っているかもう一度チェックし、帯や髪飾りがどこに入っているか把握し、当日の持ち物リストを作成します。
子どもへの説明も大事です。「今度の日曜日は七五三だよ」と何度か話し、着物を着ること・神社に行くこと・写真を撮ることを簡単に説明します。不安そうなら「お母さんもお父さんも一緒だよ」と安心させてあげましょう。
大人の服装確認として、父親は紺や黒のスーツに白シャツと紺のネクタイ、母親は帯を締めた着物または落ち着いた色のワンピースやスーツを準備します。祖父母を呼ぶなら、服装の目安を事前に伝えます。
七五三の服装マナー:親も祖父母も「格を揃える」が大事
七五三の写真を見ると、子どもより親の服装に目がいくことがあります。子どもの成長を祝う行事だからこそ、親の装いもちゃんとしていると、式全体の品格が上がります。
子どもの服装:3歳・5歳・7歳の標準形
3歳女の子は「被布(ひふ)」を着た着物が標準です。被布とは、着物の上に羽織る綿入りのベストのようなもの。江戸時代から3歳女の子の装いとされてきました。帯をしめる必要がなく、着物の上から羽織るだけなので、3歳のまだ小さな体にも優しい装いです。帯をしめると苦しくなり、終日不機嫌になる子もいます。被布は親の優しさ、そして3歳の子に寄り添う装いでもあるのです。色は、紅色(あかね色)、濃いピンク、朱色などの赤系が一般的です。
3歳男の子は着物に兵児帯(へこおび)が基本です。兵児帯は絹のような生地で、結ぶだけで留まる帯なので、3歳でも親が簡単に結べます。色は赤系や黒系が古典的ですが、現代は多彩な色が選べます。
5歳男の子は、はっきりとした正装になります。紋付の羽織(もんつきのはおり)と袴(はかま)を着ます。紋付とは、家の紋が入った着物のことです。かつてはそれぞれの家に家紋があり、正装には家紋を入れるのが決まりでした。今でも、正式な七五三撮影では紋付を使う写真館が多いです。5歳男の子が家紋入りの正装をするのは、「これからこの家の男として成長していく」という覚悟を表現する儀式でもあります。
7歳女の子は、子ども用の着物の中で最も大人っぽい「四つ身」を着ます。四つ身とは、着物の生地を4つに折る(つまり生地幅の1/4を使う)という意味で、子ども向けの小さめの着物を指します。3歳の時と違い、帯を締めるので、本格的な着物の装いになります。帯は半幅帯という幅が狭い帯を前で結びます。大人の女性は帯を後ろで結びますが、子どもは前で結ぶので、帯結びの見た目が異なります。色は赤系が古典的ですが、今は黒地に花模様、紫、深い緑など、多彩な色が選べるようになっています。
洋装は選べる?
最近、七五三で洋装を選ぶ子どもも増えています。結論から言えば、洋装でも大丈夫です。マナー違反ではありません。
ただし、洋装を選ぶなら、フォーマルなドレスかスーツを選ぶこと(紺や黒、深い緑などの落ち着いた色が良い)、親も格を揃えること(子どもが洋装なのに母親が着物という組み合わせは避けた方が無難)、神社参拝でも違和感がないか確認することが大事です。
正直に言えば、七五三は和装が主流です。でも「この子のために、一番似合う装いを選ぶ」という親の気持ちが本当に大事です。
親の服装:背筋を伸ばしたくなるような
七五三の主役は子どもです。でも親の装いが、その日全体の品格を決めます。
父親のスーツは紺か黒のスーツ、白シャツ、紺や黒のネクタイが標準です。ここで大事なのは「新しいスーツ」である必要はないということ。普段仕事で着ているスーツで十分です。ただし、クリーニングに出して、きれいな状態で参拝することが大事です。スーツのボタンが取れていないか、袖が伸びていないか、当日の朝に確認する習慣をつけましょう。子どもの正装を引き立てるのは、親のちょっとした気配りです。
母親の着物について。着物を持っているなら、帯を締めた正装の着物を選びます。訪問着(ほうもんぎ)や色留袖(いろとめそで)が一般的ですが、帯と帯締めをきちんと合わせていれば、どの着物でも構いません。着物を持っていない、または着物を着るのが難しい場合は、落ち着いた色のワンピースやスーツで十分です。黒、紺、深い灰色などが良いでしょう。ただし、パーティードレスのような派手な色や、素肌が露出する装いは避けます。
あなたが子どもの七五三の後、何年か経ってから、その時の写真を見直した時、親の装いを見てどう感じるか。子どもを正装させるなら、親も正装する。それは「あなたが大事だから、私たちも気合を入れた」というメッセージです。子ども心には、その気合が伝わります。
祖父母の服装:格をそろえることの大事さ
祖父母も参拝に同行する場合、服装の調和がとても大事です。祖父は父親と同じく紺か黒のスーツ、祖母は帯を締めた着物、または落ち着いた色のワンピース・スーツを選びます。祖母が着物を着ると、三世代が並んだ写真がより映えます。
ただし「そろえる」ことが本当の目的です。祖母が着物を持っていないなら、無理して購入する必要はありません。きちんとしたワンピースを選んで、髪をセットして、帯やコサージュで品格を出す。その気配りの方が、形式より大切です。
神社参拝のマナー:初穂料の相場から作法まで
七五三で多くの親が戸惑うのが「神社参拝ってどうやるの?」という部分です。作法を知らないと、どうしても緊張してしまいますね。
神社選びのポイント
七五三は、別にどの神社で参拝してもマナー違反ではありません。ただし、選ぶなら以下のポイントを参考にしましょう。
かつては「氏神様(うじがみさま)」という、自分たちが住む地域を守る神社に参拝するのが慣例でした。今でも、「実家の近所の神社で祖父母と一緒に参拝する」という家庭も多いです。一方、「今、子どもが暮らしている地域の神社で参拝する」という選択肢もあります。大事なのは、家族の気持ちがどこにあるか、という点です。
大きな神社(例:明治神宮、伏見稲荷、氏神様の本社など)なら、七五三に対応したプログラムが充実していることが多いです。小さな神社なら、神職さんと直接話せるので、カジュアルな雰囲気で参拝できることもあります。ただし、神職さんがいない時間帯もあるので、事前に確認が必要です。
神社に参拝すると決めたら、事前に電話で確認しましょう。七五三の時期に対応しているか、初穂料がいくらか、事前予約が必要か、参拝後に神社内での写真撮影は許可されているか。この4つです。
初穂料(はつほりょう):いくら包めばいい?
初穂料とは、神社での儀式を受けるために納める謝礼金です。「お賽銭」とは別のもので、より正式な位置づけです。
相場は5,000円から10,000円。神社によって異なりますが、一般的には5,000円か10,000円です。大きな神社なら10,000円、小さな神社なら5,000円という相場が多いです。わからなければ電話で聞くのが一番です。「初穂料はいくらですか?」と聞いて恥ずかしいことは全くありません。むしろ、神社側もそういう質問を想定しています。
のし袋の選び方として、初穂料を包む時は、のし袋(熨斗袋)を使います。白と紅の紐が結ばれたのし袋を選び、水引は「結び切り」を選びます。「蝶結び」は使いません。表には「初穂料」(上部)または「七五三初穂料」とお子さんのお名前(下部)。裏には住所と金額を書きます。ペンは毛筆か筆ペンを使います。ボールペンは避けましょう。
のし袋がない時の応急処置として、小さな白い封筒でも構いません。表に「初穂料」と書きます。完璧な形式より、「きちんとした気持ちで献金した」という姿勢が一番大事です。
参拝の作法:二拝二拍手一拝
神社で参拝する時の基本的な作法は「二拝二拍手一拝(にはいにはくしゅいっぱい)」です。ほとんどの神社の鳥居の近くや参拝ガイドに書いてあります。
まず、鳥居をくぐる時に一礼。鳥居は神社と人間の世界の境界です。くぐる時に軽く頭を下げます。子どもと一緒なら「ここから神社だよ」と説明しながら一緒に礼をします。
次に、手水舎(ちょうずしゃ)で手と口をすすぎます。右手でひしゃくを持ち左手に水をかけて洗う。左手でひしゃくを持ち右手に水をかけて洗う。もう一度右手でひしゃくを持ち左手に水を溜めてその水で口をすすぐ。左手を洗う。ひしゃくの柄を水で洗い流す。3歳の子どもと一緒なら親が手伝います。子どもが水を怖がるなら、無理せず親だけすすぎます。
本殿の前で二拝二拍手一拝をします。腰を90度曲げて2度お辞儀をする(二拝)。胸の前で手を合わせ2度手を叩く(二拍手)。ただし完全に手を離さずに合わせたままにする。願い事を祈る。ここで「子どもの健やかな成長を感謝します」と心の中で言う。腰を90度曲げて1度お辞儀をする(一拝)。
帰る時も鳥居をくぐって神社から出る時に、振り返って一礼します。
七五三特有の儀式:当日の流れ
多くの神社では、七五三の時期に特別な儀式を行っています。事前予約した場合、その流れは神社で説明されます。
一般的な流れは、社務所で初穂料を納め、待合室で待ち、神職さんに呼ばれて本殿に案内され、神職さんが子どもの名前を読み上げて祝詞(のりと)を唱え、家族が本殿の前で二拝二拍手一拝をし、神職さんから「お祓い」を受ける場合もあり、最後に記念品(七五三の破魔矢や絵馬など)をもらいます。
子どもが不安そうなら、事前に「お寺のおじさん(神職さん)が『おめでとう』って言ってくれるんだよ」と説明しておくと、当日少し安心します。
写真撮影のマナー:神社内での配慮
七五三の写真撮影は、家族にとって大事な思い出になります。ただし、神社内での撮影にはマナーがあります。事前に神社に「参拝後、神社内で家族写真を撮ってもいいですか?」と確認します。ほとんどの神社は許可していますが、中には禁止している神社もあります。参拝道や本殿の前で長時間撮影をするのは控えます。特に11月15日は混雑しているので、撮影時間は短めに。外部のプロカメラマンに撮影を依頼する場合は、神社の許可が必要な場合があります。
七五三の食事会:どこで?誰と?予算は?
七五三の後、「さあ、食事会をしよう」というのが、多くの家庭の過ごし方です。子どもの成長を祝う食事の場は、七五三を完結させるうえで重要な役割を果たします。
食事会はやるべき?やらなくていい?
正直に言えば、やるかやらないかは家族の事情で判断して良いです。七五三の本来の目的は「子どもの成長を祝う」こと。食事会はその気持ちを表現する手段の一つに過ぎません。
祖父母が体調不良で参加できない、兄弟姉妹が小さすぎて外食が難しい、経済的な理由で食事会は難しい、子ども本人が疲れていて家で休みたい。こういった場合は、無理に食事会をせず、自宅でケーキを食べてお祝いする、近所のカフェで軽く祝うなど、家族のペースに合わせた形で大丈夫です。
食事会をする場合:レストランと自宅の比較
レストラン(和食店・フレンチ等)での食事会は、親が食事の準備をしなくて済み、特別な雰囲気が出て、個室なら子どもが飽きても他の客に迷惑をかけません。一方で、予約が必要で事前の計画が必要になり、食事代がかかります。
自宅での食事会は、予約や計画が最小限で、食事代が少なくて済み、自分たちのペースで過ごせます。子どもが疲れたらすぐに着物を脱ぐこともできます。一方で、食事の準備が親の負担になり、「特別感」がやや薄れます。
食事会の場所選び:個室がおすすめな理由
「レストランで食事会をしよう」と決めたら、個室を選ぶことを強くおすすめします。
子どもが着物で長く過ごせること。七五三の着物は帯がしめられていて、子どもにとっては「いつもの服」とは全く異なる経験です。個室なら帯がきつくなったり着物が気になったりしても、親がさっと対応できます。
食事で着物を汚すリスクの低減。着物は高い衣装です。特にレンタルなら、返す時に汚していないかドキドキします。個室なら万が一食べ物をこぼしても、店員さんがすぐに対応してくれます。
写真撮影が自由なこと。個室なら食事中に家族で写真を撮るのも自由です。団欒の中での笑顔の写真が、何年後に見ても素敵なのです。
食事会の予算相場
レストランでの食事代は一人あたり5,000円から15,000円程度。子ども用のお子様メニューで3,000円から5,000円、大人用の一般的なコースで8,000円から12,000円、高級和食店やフレンチなら大人は15,000円を超えることもあります。
家族5人(親2人、子ども1人、祖父母2人)なら、平均で50,000円から70,000円が目安です。
食事会での話題と子どもへの言葉かけ
食事会を素敵な思い出にするには、親の「子どもとの関わり方」が全てです。
祖父母がいるなら「○○が3歳だった時はこんなだったよ」という昔話が自然と出ます。その話を子ども本人にも聞かせてあげましょう。「昔はこんなに小さかったんだよ。今はこんなに大きくなった」という時間の経過を、子ども心にそっと植え付けることができます。
食事会で親が言うべき言葉。「3歳から今まで、無事に大きくなってくれてありがとう。お母さんもお父さんも嬉しい」。複雑なことは言わずに、シンプルな感謝と喜びを伝えます。子ども本人も、その言葉で「今日は自分の成長を祝う日なんだ」と認識します。
七五三の費用相場:全体でいくら必要?
七五三を終わらせるのに、本当はいくらかかるのか?親が気になる点です。
詳細な費用内訳
撮影費用は15,000円から30,000円。来店撮影のみなら10,000円から15,000円、撮影にアルバムや台紙をつけると20,000円から30,000円です。最近は「データをもらって自分でプリントする」という親も増えています。
衣装関連はレンタルの場合5,000円から20,000円。衣装一式レンタル(帯・帯締め・髪飾り・足袋・草履まで)が5,000円から20,000円、購入なら20,000円から100,000円以上です。レンタルなら「11月の2週間借りる」という契約が多く、返却期限が決められています。
食事会費用は30,000円から80,000円。家族構成と選ぶレストランによって大きく異なります。4人なら25,000円から50,000円、5人なら30,000円から70,000円、6人以上なら40,000円から100,000円。自宅で食事会をする場合は食材代のみ(10,000円から20,000円)で済みます。
初穂料(神社参拝)は5,000円から10,000円。その他として千歳飴(500円から2,000円)、祖父母への手土産(1,000円から3,000円)、交通費があります。
七五三全体の平均予算
レンタル衣装で1人の子どもの七五三なら、80,000円から130,000円が目安です。内訳は撮影20,000円、衣装レンタル10,000円、食事会50,000円、初穂料10,000円。
購入衣装を選んだ場合は150,000円から300,000円。内訳は撮影25,000円、衣装購入80,000円から200,000円、食事会60,000円、初穂料10,000円。
費用を抑えるアイデア
予算が限られている場合、いくつかの方法で費用を調整できます。撮影をスタジオでなく自宅で行う方法。祖父母や親戚に写真を撮ってもらい、スタジオの撮影代を節約します。スマホでも午前の自然光なら十分きれいに撮れます。
食事会を自宅で行う方法。得意な料理をする親なら、ケーキだけ買って他は手作りすれば10,000円以下で済みます。
衣装購入で2人目以降を節約する方法。第一子で購入した衣装は第二子・第三子に受け継ぐことで、トータル費用を大幅に削減できます。
神社参拝のみシンプルに済ませる方法。撮影も食事会も省いて、神社参拝と家族での簡単なお祝いで済ます選択肢もあります。本来の目的は「子どもの成長を祝う」ことなので、形式より気持ちです。
食事会をする時に:実際にAnnyで予約した親たちの声
七五三の食事会の時間は、親にとっても特別な思い出になります。Annyで予約して七五三をお祝いされたご家族の声を聞いてみましょう。
福岡での七五三祝い
「2023.11.10に七五三で利用させていただきました!平日だったこともあり、掘りごたつの個室の予約をとることができました。元々13時予約でしたが、当日の連絡で11時30分に変更してもらった時も快く受けて頂きました。食事処利用で2時間まで駐車場が無料で利用出来ます。食事が美味しいのはもちろん、梅崎さんという女性のスタッフの方の気配りがとても行き届いており、こちらが要望を出す前に声掛けをしてくれたり、最初から最後まで先読みして動いてくれて本当に助かりました。息子が偏食のため、お子様メニューは食べられないので和風パスタの用意は可能でしょうか?と、その場でリクエストしたことにも料理人さんが対応してくださり、まさに至れり尽くせり。本当にお世話になりました。ありがとうございました!」
(Annyで予約されたお客様の声)
福岡の施設での七五三では、親の細かいリクエストにも丁寧に対応してくれました。子どもの偏食に合わせてその場で料理を変更できるレストランの柔軟さが、七五三という家族の大事な日を支えたのです。掘りごたつの個室は着物の子どもが座りやすく、親も足をのばせる配置。七五三の食事会を経験した施設だからこそ、こういう細かい配慮が生まれるのです。
横浜での七五三祝い
「子供の七五三のお祝いで利用。大人はコース料理をいただきました。老舗や美味しいと言われる日本料理店も利用したことはありますが、こんなに感動したのは初めてです!芸術的な盛り付け、食べる人のタイミングに合わせた温かさ、食感も品数も器も季節感も楽しめ、金額以上の素晴らしさでした。お祝いごとの際は、是非またお伺いしたいです。」
(Annyで予約されたお客様の声)
横浜での食事会では、料理の美しさが心に残ったとのこと。七五三という「子どもの成長を祝う日」に、親も上質な食事体験をする。その時間が、子ども自身にも「今日は特別な日」という感覚を植え付けます。「金額以上の素晴らしさ」というのは、多くの親が七五三での食事に求める感覚です。
銀座での七五三祝い
「最高のサービス。ホスピタリティ、雰囲気でした。七五三と成人お祝い、誕生日ダブルでお祝いでした。入り口に待ち構えていてくれてすぐ案内してもらえました。中庭の池も見事。クラシカルで雰囲気のある空間と美味しいご飯が素晴らしかったです。担当さんが同郷とわかり、地元トークで盛り上がりました。」
(Annyで予約されたお客様の声)
銀座の高級レストランでの七五三は、入口での出迎えからスタッフの心配りまで、すべてが「お祝いの日を最高にしよう」という気持ちで統一されていたそうです。複数の人生の節目を同時にお祝いするという「複雑なお祝いニーズ」にも対応できるのが、七五三経験が豊富なレストランの強さです。
七五三を完結させるために:次のステップへの導線
内祝い・ギフト:七五三のお返し
七五三でお金やプレゼントをもらった場合、お返しの品を贈る「内祝い」が発生することもあります。親戚や親友から七五三祝いをもらった時は、少し時間をおいて(1ヶ月以内が目安)、お返しのギフトを選びます。
Annyのギフトモール(anny.gift)では、七五三の内祝いにぴったりのプレゼントが豊富にそろっています。
記念品の保存:千歳飴から髪飾りまで
七五三の時に使った小物類(千歳飴、髪飾り、帯締め)を、どう保存するかは親の判断です。子ども本人が「取っておきたい」と言ったら、小箱に入れて、子どもが成長した時に見返す思い出の品にすることもできます。
次の子の七五三へ:衣装の受け継ぎ
兄弟姉妹がいる家庭では、第一子の衣装が第二子へ受け継がれることが多いです。その時はクリーニングに出して虫干しをしておくことが重要です。衣装が素敵な状態で「お兄ちゃんの七五三の衣装だよ」と子どもに説明すると、兄姉へのリスペクト(敬意)が生まれます。
関連記事:もっと詳しく知りたい方へ
七五三と同じ「人生の通過儀礼」について、もっと詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
お宮参りのマナーと段取り完全ガイドでは、七五三の前に経験するお宮参りの準備とマナーをまとめています。
お食い初めのやり方:時期から食べさせ方まででは、七五三と同じく子どもの通過儀礼であるお食い初めの段取りを解説しています。
Annyのお祝い予約プラットフォーム(oiwai.anny.gift)では、実際に七五三をお祝いされたお客さんの事例や口コミを参考にすることができます。
七五三は「完璧である必要がない」
ここまで、七五三のマナーやお金の話をしてきました。でも、一番大事なことは、このシンプルな事実です。
七五三は完璧である必要がありません。
子どもが着物を着て、親がその成長を祝う気持ちがあれば、それで十分です。
雨が降った? 子どもが泣いた? 着物が汚れた? 写真がブレた? そんなことは、後で見返すと、全部素敵な思い出になります。
あなたの両親も、祖父母も、みんな誰かに祝ってもらって今があります。その歴史が、あなたの子どもに受け継がれるのが七五三なのです。
完璧な儀式ではなく、家族の不完全さを包み込んだ「人生の通過儀礼」。それが七五三です。
心を込めて、子どもの成長を祝ってあげてください。
よくある質問。七五三のギモン、ここで解決
Q. 数え年と満年齢、どちらで祝う?
地域や家庭の慣例に合わせるのが一番です。関西圏の実家がある家庭は数え年(3歳は満年齢で2歳の時)、関東圏の家庭は満年齢(3歳の時に参拝)が一般的。どちらを選んでもお祝いの気持ちは変わりません。迷ったら祖父母に「どちらでお祝いしたい?」と相談してから決めるのがおすすめです。
Q. 兄弟姉妹で一緒にやっていい?
一緒にやっても、別々にやっても構いません。兄が5歳、妹が3歳の同じ年度なら、一緒に神社参拝して食事会をするのは効率的です。ただし、写真撮影は個別にするのがおすすめ。子ども自身が自分の成長を祝ってもらう経験をするには、個別撮影も大事です。
Q. 雨の日はどうする?
撮影は晴れの日に別日で振り替え(事前にスタジオに相談)、参拝は11月中の他の日に延期する(神社に都合を相談)のが一般的です。それでも11月15日前後に参拝したいなら、雨対策(足袋と草履の替え、上着の用意、子どもが冷えない工夫)をして参拝しましょう。雨の中での参拝を「風情がある」と感じる親も多いです。
Q. 千歳飴はどこで買う?
写真館では撮影の景品としてもらえることもあります。神社参拝後に社務所で購入できるほか、百貨店では11月に千歳飴コーナーが設置されます。オンラインでも購入可能。千歳飴は「必ず買わなければいけない」ものではありません。
Q. 喪中でも七五三はできる?
一般的には、四十九日(49日)を過ぎていれば七五三を祝っても構いません。ただし、神社に電話して確認することをおすすめします。祖父母や親戚の中に「喪中だから避けるべき」と考える人がいるかもしれないので、事前に家族で相談しておくとトラブルが少なくなります。
Q. 写真だけで神社参拝なしでもいい?
もちろんです。マナー違反ではありません。本来の目的は「子どもの成長を祝う」こと。形式より気持ちが優先されます。「やっぱり参拝もしたい」と後で思った時は、11月中なら後日参拝することも可能です。
Q. 早撮り・後撮りは「本当の七五三」ではない?
十分に「本当の七五三」です。早撮りで衣装を着る経験をして、参拝で神社に行って、食事会で家族と一緒にお祝いする。その全ての経験が子どもの成長を祝う儀式です。写真撮影の日付がずれていることは全く関係ありません。
Q. 初穂料はいくら包めばいい?
一般的には5,000円から10,000円です。大きな神社なら10,000円、小さな神社なら5,000円という相場が多いです。わからなければ神社に電話で聞くのが一番。のし袋は白と紅の紐が結ばれたものを選び、水引は結び切りを使います。
Q. 七五三後、衣装はどうする?
保管する(次の子がいる場合や思い出として)、売却する(メルカリやリサイクルショップで)、寄附する(児童養護施設や学校に)の3つの選択肢があります。保管する場合は虫干しやクリーニング、保管場所の確保が必要です。