【みんなのアニバーサリー】出産後の痛みと戦う中、息子からもらった“感謝の手紙”

忙しく過ぎていく日々の中で、ふとSNSを見てみる。
その中にたまに描かれている、誰かの誕生日の物語や、記念日のお祝い……ほっこりして、ちょっと癒されるのは、そんな瞬間かもしれません。
そこでAnnyでは、連載「みんなのアニバーサリー」をスタート。
心が動く、誰かの”アニバーサリー”に焦点を当てた物語を、毎週読者の方々にお届けします。

今回インタビューしたのは、人気ママブロガーのねこおやじさん。
彼女が受け取った、一通の手紙のプレゼントについて、お伺いしました。

”ステップファミリー”の笑いあり、涙ありの日常を描いたブログを書いていらっしゃるねこおやじさんは、ご主人と長男のもんたくん、長女のモコちゃんの4人家族でしたが、2025年に次男のもん吉が産まれ、5人家族になりました。

ステップファミリーの母であるねこおやじさんは、もん吉くんの出産が初めての出産でした。
もん吉くんの出産を振り返り、ねこおやじさんはこう語ります。


「私の場合は予定帝王切開なので、陣痛の痛みや、緊急帝王切開という痛みを味わわずに済むと思っていたのですが、術後の麻酔が切れた後の痛みが想像を絶する痛さでした。
もうこのまま意識が遠のいていくんじゃないかと……
鎮痛剤も効かなかったので全く眠れず、歯を食いしばって痛みに耐えていました」

「痛みで眠れない夜が2日は続きました。
そして3日目、病院のベッドで横になっていたときに、息子から電話がかかってきたんです」

本当は、お母さんが出産した日に手紙を書いてきた長男のもんたくん。
しかし、痛みに苦しむねこおやじさんに手紙を渡すことができず、落ち着いた頃を見計らい、電話越しでその手紙を読んでくれたそうです。

“ママへ
出産おめでとう。
もん吉を産んでくれてありがとう。
今までぼくとモコのために頑張ってくれたけど、
今度はもん吉のために頑張ってね。
困ったときは助けるね。

もん吉へ
こんにちは。兄のもんたです。
僕は小6だけど、一緒に遊ぼうね。
姉もいるよ。モコ。
モコはもん吉に優しくしてくれると思うよ
もんたより”

「たまに手紙で自分の気持ちを伝えてくれる子でしたので、いつもの手紙かなと思っていたら、予想だにせぬ嬉しい内容で、ただただ嬉しかったです。
本当の親ではない私のことや、お腹の子のことを、こんなにも大事に想ってくれていたんだなぁ……と。

もん吉を出産したときは、初めての0歳からの子育てになるので少し不安がありましたが、もんたの存在がとても心強く思えました」

初めての弟が産まれて、とっても嬉しかったもんたくん。
その中でも真っ先にお母さんに感謝を伝えるだなんて、お母さん思いな様子がよく伝わってきます。
二人の兄になったもんたくん、そして初めて下の兄弟ができたもこちゃんのその後の様子を、ねこおやじさんはこう振り返ります。

「やはり女の子は母性が備わっているのか、もこは生まれたてのもん吉を怖がることなくスッと抱くことができていました。
その反面、もんたは『落としてしまいそうで怖い』と、家でもしばらくの間は抱くのを恐れていました。（笑）

もん吉がいる生活に慣れてからは、もんたはお父さんのような躾役、もこは優しい母親のような甘やかし役で、兄弟というより親子のようですが、今でも良き兄・姉の二人です」

もんたくんはお祝い事が好きで、家族の誕生日や、もん吉くんの3ヶ月バースデーなども、ちゃんと覚えているそう。
そんな“アニバーサリー”好きなもんたくんを、人・家族を大切にする子だとお母さんも嬉しく思っているようです。
しかしその後の手紙については、なんとしばらくもらえなかったのだと言います。

「手紙は？とこちらから催促して、やっと受け取りました。（笑）
私は10日ほど家を空けてましたし、本人も改めて面と向かって渡すのは恥ずかしかったのかもしれません」

出産は命懸けと言いますが、そんな経験を通じて我が子の誕生を目の当たりにしたねこおやじさん。
そしてその瞬間、産まれたもん吉くんの兄・姉になったもんたくんとモコちゃん。
家族のかけがえのないアニバーサリーを、もんたくんの手紙は語り続けていくことでしょう。

さて次は、どんなエピソードが飛び出すのでしょうか。
「みんなのアニバーサリー」、次回更新もお楽しみに。

（インタビュー・文：編集部えみりー）